公益社団法人青少年育成広島県民会議

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平成19年度夢配達人プロジェクト〜広島市立広島中央特別支援学校小学部〜

登山家に手伝ってもらい,山(大山)に登りたい
全盲なのでリードしてもらいたい

全盲だけど,登山家にリードしてもらい,みんなと一緒に大山に登ります!
 H20年度に夢を実現するための第一歩として,学校・地域の人が集まり,H19年12月23日(日)に広島中央特別支援学校で,初めて,夢配達人プロジェクト実行委員会を開催し,夢実現のための体制・計画等をみんなで話し合いました。
山登りの達人(橋本さん)の登山講演を聴きました。
 登山家にリードしてもらいながら,大山に登るという夢の実現に向け,2月19日(火)山登りの達人の橋本さん(視覚障がい者等の山登りの会 歩く会「友遊」の会長)から,登山に向けた心構えや体力作り,そして登山を始めたきっかけなど多岐(たき)に渡りお話をして頂きました。
 橋本さんご自身,全盲ですが,登山やフルマラソン等など様々なことに果敢(かかん)に挑戦されています。
 話中,登山ボランティアの方に,視覚障がい者と一緒に登山する方法を実演していただきました。視覚障がい者は,前のサポーターのリュックに結ばれたひもをつかみ,もう片方の手で杖をつき,サポーターの一歩斜め後ろを歩きます。
 最後に,上田くんは,「体力に自信がないので,先ずは体力作りをしていきます。練習登山から行い,7月には大山に安全に登れるよう頑張ります!」とみんなの前で意気込みを述べました!
初めて練習登山を行いました。
 2月20日(水)上田くんは,広島中央特別支援学校の先生方と一緒に,練習登山として松笠山(まつかさやま)(標高375m)に登りました。
 登山前に,入念にストレッチを行う上田くん。
 頂上までの約2.8kmを,戸坂駅から登っていきました。
 リュックに結んだひもを手に,後の先生にもサポートを受けながら登りました。
 中腹(ちゅうふく)の松笠観音寺(まつかさかんのんじ)で休憩(きゅうけい)を取りました。
 登山開始1時間20分で山頂に到着しました。
 学校に戻り万歳(ばんざい)する上田くん。「これからも引続き体をきたえ,大山に安全に登りたい」と抱負(ほうふ)を述べました。
大山に登頂した暁(あかつき)には,皆にバイオリンを披露したいという夢の実現に向け,
3月7日(金)最後のバイオリンレッスンを受けました。
 3月7日(金)上田くんは,小学3年生から師事(しじ)している音楽家 沖田千春先生から,最後のバイオリンのレッスンを受けました。
 今日は,基礎訓練となる音階練習をした後,「アメイジング・グレイス」・「千の風になって」の名曲を,見事な腕前で披露してくれました。
 上田くんは,大山登山時に,頂上で感謝の意を込め,皆にバイオリン演奏を披露(ひろう)することを考え,日々練習に励んでいます。
 登頂した暁(あかつき)に,何を弾くかは「まだ思案中…」。
 くしくも,大山(米子市)は,千住真理子,佐藤陽子,澤和樹ら数々の著名バイオリニストを育てた名伯楽(めいはくらく) 鷲見三郎(すみさぶろう)生誕(せいたん)の地。
登山だけではなく,バイオリンも頑張る上田くん。
いよいよ,今年の夏が楽しみです。
中国地方最高峰大山への登山に全盲生徒が成功しました!
 7月27日(日)全盲の上田さん(筑波大附属視覚特別支援学校〔東京都〕中学部1年)は,夢配達人である重岡さんや母校(広島中央特別支援学校)教員等のリードのもと,大山登山に挑戦しました。
 一行35名(登山サークル・広島中央特別支援学校関係者・八次小児童等)は,朝5時30分に出発し,夏山登山道を経由し大山頂上を目指しました。
夢配達人のリードのもと勢いよく出発
阿弥陀堂前の広場で準備体操
 6合目を過ぎたあたりから,雷鳴(らいめい)が響き渡り,霧雨(きりさめ)となり気温も下がってきました。
 8合目を過ぎてからは,さらに気温が下がり18℃となり,濃霧で視界がせばまった上,風雨が激しさを増し,歩行が困難を極めました。
 出発して4時間半,遂に,登頂!
 頂上に到達し,石碑のプレートを指で触ろうとしている様子
 記念CDを首からかける上田さん
 山頂では降雨が激しいため,一行は山小屋に移動。
「皆さん,今まで協力してくれてありがとう!」感謝の言葉を述べた後,上田さんは,登山等を支援していただいた皆に感謝の気持ちを込めて,バイオリン演奏を披露しました。曲は,「千の風になって♪」「アメイジング・グレイス♪」。
 静かな山頂に,バイオリンの調べと歌声が鳴り響きました。
 下山時に(霧がはれ)眼下(がんか)にうっすら望める弓ヶ浜
 
 出発して9時間余り。無事下山し,大山寺橋(だいせんじばし)で記念撮影。
 支援していただいた皆に,感謝の意を述べた後,「今度は,更に高い山(富士山)を目指したい」。上田さんの夢は,これから,まだまだ続いていきます。