公益社団法人青少年育成広島県民会議

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平成21年度夢配達人プロジェクト〜神石高原町立油木小学校〜

神楽のおろちの頭と体を作りたい

夢配達人による神楽の舞を鑑賞しました!
 3月12日,油木小学校の全児童100名・油木保育所園児27名が油木神楽保存会(ゆきかぐらほぞんかい)の演じる神楽“八岐大蛇(やまたのおろち)”を鑑賞しました。

 子どもたちは火を吐く大蛇(おろち)を退治する迫力いっぱいの神楽に見入っていました。
 神楽の後,児童と園児を代表して応募者の前原祐希くんがお礼を述べると共に,これからの指導をお願いしました。
 前原くんは,「自分たちの手で世界一かっこいい大蛇を作り,みんなで舞いたい!」と決意を新たにしました。



夢配達人から初めて神楽に関する指導を受けました!
 4月27日,夢配達人となる地元のオロチづくりの名人,馬屋原守さんと赤木健二さんから,神楽の歴史やオロチの登場する演目「八岐大蛇(やまたのおろち)」のストーリーなどを教えてもらいました。
オロチの頭の作り方を説明する馬屋原守さん オロチの胴について説明する赤木健二さん
名人のつくったオロチの頭をさわってみました。



オロチを作り始めました!
 4月30日,夢配達人に教えてもらいながら,オロチを作り始めました。竹で胴の骨組みを作りました。



オロチの制作風景です。
 夢配達人に教わりながら段々,オロチが形になっていきました。
骨組みを糸でつなぎます。


紙に糊を塗ります。
オロチの頭に紙を貼ります。
胴の骨組みに紙を貼ります。
オロチの胴へ鱗の絵を付けていきます。
ニスを吹き付けます。
胴を縮めジャバラにします。

オロチの完成です!
 6月25日,オロチがついに完成しました。
胴と胴を繋ぎ合わせます。
こんなに長~い立派なオロチが完成しました。

舞の練習を始めました!
 7月,完成したオロチを使って,舞の練習を始めました。
 演目は「八岐大蛇(やまたのおろち)」です。
 昔むかし,八つの頭と八本の尾を持ち,体にはコケやヒノキ,杉が生え,八つの谷,八つの山にまたがるほど大きな大蛇が,毎年,村のむすめの命を奪い,人々を苦しめていました。「八岐大蛇(やまたのおろち)」は,この大蛇を須佐之男命(スサノオノミコト)が酒を飲ませて油断させ,退治する物語です。


初めはなかなかうまく「とぐろ」が巻けません。
油木神楽保存会の方に指導していただき,夏休みにも学校で練習しました。
初めは音が出なかった横笛も,だんだん音が出るようになってきました。

サポートしてくれた地域のみなさん
 青少年育成神石高原町民会議を始め,地域・学校・PTA・行政・町文化財保護委員・地元神楽団のメンバーで構成される実行委員会のみなさんが,オロチ作りから舞の練習,お披露目の舞台や準備について,何度も協議を重ね,夢の実現をサポートしてくださいました。



いよいよ夢の実現です!
 10月31日,シルトピアグラウンドで開催された「ゆきふるさとまつり」の特別ステージで,神楽を舞い,完成したオロチを披露しました。
 小雨の降る中,多くのみなさんに見ていただきました。また,テレビ局や新聞社など,多くの取材も受けました。


雨も熱気で吹き飛ばすすばらしい舞です。
 

取組みの様子を紹介しました!
 11月11日から14日まで,油木山村開発センターにて開催された「神石郡美術展」において,これまでの取組みの様子を紹介し,完成したオロチを展示しました。
「世界一かっこいい大蛇(オロチ)」



町の広報誌で紹介されました!
 夢の実現までの取組みが,神石高原町の広報誌で紹介されました。

広報神石高原 2010年11月号(第73号)

 神石高原町には多くの先人からの文化遺産が現存します。神楽もそのひとつで,国の重要文化財の指定を受けた多数の神楽道具や県の無形文化財の指定を受けた「八ヶ社神楽(はっかしゃかぐら)」が受け継がれています。
 この類まれに見る伝統文化を子どもたちは「夢」としてとらえ,このプロジェクトで実現しました。
 神石高原町のすばらしい伝統がまたここに継承されました。
 「夢を持つこと」そしてそれに取り組み「夢を実現すること」。このことを通し,子どもたちはまたひとつ大きくなったようでした。