公益社団法人青少年育成広島県民会議

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過去の事業

けんみん文化祭ひろしま’05総合フェスティバル

平成17年10月2日(日),けんみん文化祭ひろしま’05総合フェスティバルにおいて,青少年とらい・やる21事業に取り組んだ6つの中学校が日頃の成果を発表しました。

県と社団法人青少年育成広島県民会議では平成13年度から,「青少年育成とらい・やる21事業」として,青少年の学びの場・活躍の場づくりを推進してまいりました。

この事業は,中学生たちが,学校の総合的な学習の時間を活用して,地域の伝統文化の継承や,新しい文化の創造に取り組むものです。子どもたちは家庭・学校・地域の連携のもと、様々な方のお力をお借りしながら,太鼓・踊り・唄などに取り組んでいます。

当日は,このような子どもたちが一堂に会し,お集まりいただいた多くの方の前で素晴らしい演技を披露しました。出演順に学校と演目を紹介します。


美土里中学校(安芸高田市)


  演目:
  美土里中神楽
 美土里中学校神楽同好会は,美土里中学校のクラブとして発足し,20数年の歴史があります。現在は,同好会として地域行事や文化祭で発表するなど地域の協力の中で,今も継承しています。美土里町には,現在13団体の神楽団があり,それぞれの神楽団が「技」を持ち,引き継いでいます。今年の同好会には11名が加入し,錦城神楽団から演目「武蔵ケ原」を指導していただきました。 

筒賀中学校(安芸太田町)


  演目:
  龍頭太鼓
 筒賀中学校では学校の伝統にしていこうと地域の方に指導を受けながら4年前から和太鼓を始めました。今年は3年生10人が中心となって活動をしています。「知ろう・語ろう・ふるさと筒賀」のテーマのもとに、「筒賀に生まれ、育ち、暮らしていることに誇りと自信を持ち自分たちの住む筒賀をもっと地域外の人たちに知ってもらおう。」と総合的な学習として位置づけて全校で取り組んでいます。曲目は筒賀の伝統芸能の神楽と田楽のリズムを合わせてできた「神楽囃子」と、筒賀の景勝地である龍頭峡の美しさ・勇壮さを和太鼓で表現した「龍頭太鼓」を演奏します。少人数ですが気迫のこもった演奏を目指しています。

大竹中学校(大竹市)


  演目:
  鯉昇竹中音頭
 私たち大竹中学校は,総合的な学習の時間の中で大竹中学校独自の「鯉昇幻滝太鼓」「鯉昇竹中音頭」に取り組んできました。「鯉昇幻滝太鼓」は若鯉が幻の滝を登っていく様子をイメージして作りました。特に後半部は厳しい流れを乗り越えて滝を登っていく気持ちで演奏しています。「鯉昇竹中太鼓」は,大竹市の祭りに欠かせない大竹音頭をアレンジして作りました。また踊りの中には,大竹市の伝統工芸の一つである手すき和紙を利用した手作りの紙太鼓を用い,ロックのリズムとの調和を図ってみました。

吉和中学校(尾道市)


  演目:
  吉中太鼓/奔龍
 「吉和にはこの音がよくにあう。」という地域からの声を励みにしながら,今年度も全校体制で取り組んできた吉中太鼓。広島県無形文化財である「吉中太鼓踊り」をモチーフにして,当初は学校への求心力と帰属意識をもたせることをねらいとしながら,生徒指導の一環として取り組んでいました。4年前に「とらい・やる21事業」の指定をいただき,太鼓の数も増えるとともに,子ども達の意欲も大きく高まってきました。町内の敬老会や運動会等,地域のイベントにはなくてはならない存在となった私たちの「吉中太鼓」。学校と地域の交流を通した伝統文化の継承と発展。また,新たな文化の創造にむけて,さらにがんばることを決意して,本日の舞台に立っています。技術的には未熟ですが,数とパワーでは負けません。

三良坂中学校(三次市)


  演目:
  沖江田楽
 「沖江田楽」の始まりは鎌倉時代。曽我兄弟が父の仇を報い,その後,兄曽我十郎祐成は仁田の四郎に討たれた。十郎の側室である虎御前が家臣の鬼王洞三郎を従えて西国の修行に出かけたが,途中,三良坂沖江の里で洞三郎が急に病み他界した。虎御前はしばらく沖江にとどまり洞三郎を供養すると共に,自らは沖江の比丘尼田で早乙女となって里人と共に田植歌をうたったというのが沖江田楽の始まりと伝えられています。
現在は,三次市無形文化財に指定され,2年前にも発祥の地である沖江地区の水田で再現され,活動も保存会を中心に盛り上がっています。
 三良坂中学校では,3年前から保存会の方のご指導により,沖江田楽を習っています。私たちが生まれ育ったこの地に,800年も前から伝わる「沖江田楽」を習い,継承していくと共に,新たな文化の創造をテーマに,今年はミュージカル「沖江田楽」にも挑戦しています。この学習をとおし,表現力を身につけることや一つのことを極めることの大変さ・しんどさ,またそれができたときの充実感やみんなで協力することの素晴らしさを感じることができました。


土生中学校(因島市)


  演目:
  因島水軍太鼓
 私たち因島市立土生中学校の生徒は,今日の「けんみん文化祭」を最大の目標にして,3年間の練習を頑張ってきました。村上水軍陣太鼓保存会の方々に教えをいただき,また,地域の方々,PTAのご協力を得ながら,瀬戸内海で活躍した村上水軍に古くより伝わる陣太鼓・跳楽舞の継承に学校をあげて取り組んでいます。今日,披露する演目は,武者の入場,海族節の勇壮な踊りに始まり,水軍の出陣,島を守る女性たちの祈り,戦い,そして,武者たちの無事な帰島を喜ぶ人々の踊りへと続きます。瀬戸内海に繰り広げられたロマンを感じていただければ,と思います。