公益社団法人青少年育成広島県民会議

会員募集

平成17年度夢配達人プロジェクト〜福山市立鞆小学校〜

船大工さんに手伝ってもらって,木造船を作り,
鞆の港に浮かべて乗ってみたい

「鞆小ドリームGO」進水!
 「木造船をつくり鞆の港に浮かべて乗ってみたい」~この夢が船大工さんやみんなの協力で見事に実現しました。
完成し進水式を待つ「鞆小ドリームGO」。中央の駒形には「船魂(ふなだま)」と呼ばれる漁船の守り神が納められています。大人たちは今日の打合せをしてくれています。
プロジェクトメンバーの5人は,朝から何度もスピーチの練習をしました。 進水式のやり方は造船所から資料をもらって,自分たちで考えたんだよ。

 さあ,待ちに待った進水式の始まりです。

元気一杯のはじめのことばに続いて,大濱実行委員長さんから「1から10まで子どもがかかわって,こんな立派な船ができたことは大きな財産です。」とお話があり,来賓の青少年育成広島県民会議の山元理事さんは「これからも子どもたちの笑顔がいっぱいのふるさとに」とお祝いしてくださいました。

木造船産みの親の船大工 碇侑(いかりすすむ)さんの紹介と表彰,船の名前と旗の図案発案者の表彰,5年生のたるだいこ「大漁節」の演奏=旗の掲揚と式は進んで,最後は応援してくれたみなさんにお礼を言いました。

 いよいよ進水です。「わくわくするなあ。」
 碇さんも「たくさんの弟子ができてええ船がつくれた。造船技術を後世に伝えることができてよかった。」と喜んでくださいました。
お神酒で船を清めたあと,長さ約4メートル,幅80センチの船はゆっくりと進みました。
くす玉が割れ,七色のテープをなびかせながら見事に進水。とてもうれしかったよ。

多くの人が見送ってくれたので,自然と櫓を漕ぐ手にも力が入りました。

 この日はあいにく風が強く船が揺れてバランスを取るのが難しくて…。 
 それで,途中はモーターのついた船に引っ張ってもらいました。
 大人たちが4そうのヨットを出して見守ってくれました。
 やがて船はみんなが待つ海岸へ。

みんなよくがんばりました。ゆっぴーも船の舳先(へさき)で応援してくれました。
 最後に碇さんと櫓の漕ぎ方を教えてくれた水本さんに昔のこと質問したり,メンバー5人が感想を発表しました。「クラスみんなで協力して夢が実現できてよかった。」
 そして,6年生全員でかわるがわる船に乗ってみました。とてもうれしかったです。
 今年の海の日は一生の宝物になりました。
みんなで少しずつ木造船を造り始めたよ!

 「この夏までに木造船を完成させ,みんなで乗ろう」と福山市立鞆小5年生が,夢配達人の船大工 碇侑(いかりすすむ)さんの指導で船造りにチャレンジしています。
 1月7日にあった,「瓦据え(かわらすえ)」と呼ばれる船の安全を願う儀式に児童も参加し,組み立て作業が始まりました。

 みんなで板に夢実現への思いや設計図を書いたよ。

清水さん作 岡本くん作
大人が仕上げた設計図を持つ碇さん
 「鞆の浦観光鯛網」で使う櫓(ろ)の置き場がみんなの作業場。観光協会さんのご厚意で借りています。近くには33年前に碇さんが作った木造船もあります。
中央の建物の一部が作業場 今も現役です。
 児童の船造り①~木材を火であぶって曲げて船底などに使います。
みんな熱くなかったかな。少し黒くなっていますね。
 児童の船造り②~プラスチックが入った塗料を手ばけでぬって船を丈夫にし,つやも出しました。
 児童の船造り③~碇さんに穴を開けてもらってから,釘を打ちます。
船の大きさは,長さ約4メートル,幅80センチです。
 もちろん,地域の大人や工具たちも強い味方です。
 夢の発案者代表の岡本和輝(おかもとかずき)君が船作りの傍ら「船魂(ふなだま)」と呼ばれる漁船の守り神を作ってくれました。(さいころ二個の形で,船の中央の帆柱の下などに,神体としてはめ込むそうです。)
釘を選ぶ岡本君 船魂とゆっぴー
 夏の船出に備えて櫓(ろ)を漕(こ)ぐ練習も始めています。

 「プラスチックの船は材料を貼るだけ。木造船はじわじわと作れるところが楽しい。」と話す岡本君。それを聞いて「職人冥利(みょうり)に尽きる。」と顔をほころばせていた碇さん,「この作業場にいつも児童が集まり,一度にたくさんの孫ができたようでうれしい」と話しておられました。
 美しい鞆の港にみんなの船が浮かぶのが待たれます。

みんなで木造船を見に行ったよ

 福山市立鞆小学校5年生の夢(ザ・鞆小 代表 岡本和輝君),『船大工さんに手伝ってもらって,木造船を作り,鞆の港に浮かべて乗ってみたい。』で,船を作る基になる図面作成の参考にしようと,5年生と保護者,夢実行委員会委員が実際に木造船を見に行きました。夢配達人をお願いした地元の船大工の碇侑(いかりすすむ)さんも一緒に行ってくださいました。
 12月3日(土),呉市倉橋町の「長門の造船歴史館」を訪れた一行は,倉橋町の船大工の植岬博司(うえさきひろし)さんから復元された遣唐使船について説明を受けました。
「昔の船は中国まで風任せで行っていたんだって」

 遣唐使船に乗って海を眺めたり,「くらはし観光ボランティアガイドの会」のみなさんからたくさんお話も聞きました。 
 「どんな形にしようかな」これから作る自分たちの船に思いをはせながらスケッチをしています。
 木造船の模型や操船機器もたくさんあって,とても楽しかったよ。
 美しい桂浜を見たり,船大工の植岬さんが作った宮島管絃祭の御座船のお話を聞き,質問もいっぱいしました。
 お世話になった船大工さん,観光ボランティアガイドの皆さんにお礼を言いました。
 「これからもお手伝いするからね」「船ができたら見せてね」と温かい言葉をかけていたたきました。本当にありがとうございました。
 このあと「大和ミュージアム~呉市海事歴史科学館」に行って,ボランティアガイドの皆さんの案内で船を作る技術展示などを見学しました。お世話になった皆さん,ありがとうございました。

 最後は記念撮影です。今日,参加した大人たちも子どもの頃の気持ちを取り戻したようでした。海に浮かんで…,櫓でこいで…,子どもたちが描く木造船作りの「夢」。いったいどんな夢になるのでしょう。こうして,地域の大人と子どもが共同して取組むプロジェクトがスタートしました。