公益社団法人青少年育成広島県民会議

会員募集

平成19年度夢配達人プロジェクト〜庄原市立峰田小学校〜

児童作家に手伝ってもらい,
地球温暖化の真実を知ってもらうための本を作りたい。

みんなで協力して地球温暖化の真実を知ってもらうための本を作ります!
 H20年度に夢を実現するための第一歩として,学校・地域の人が集まり,H19年12月6日(木)に峰田小学校で,初めて,夢配達人プロジェクト実行委員会を開催し,夢実現のための体制・計画等をみんなで話し合いました。
3月3日(月)、峰田小の児童全員が、夢配達人である、“地球環境問題の専門家”のアサヒの森環境保全事務所の中村所長と山下さんから、地球温暖化に対する森林の果たす役割等について授業を受けました。
二酸化炭素(CO2)の増加による地球温暖化について、ビニールハウスのビニールを例(たと)えに、わかりやすく教えていただきました。
 中村所長等から、二酸化炭素を吸収し酸素を生み出す森林の役割や木材の色々な用途について話を聞いた後、ペレットを間伐材(かんばつざい)に貼付けるなど、実際に木を用いて工作をしました。
「しぜん」
(小学1年生の作品)
「ユメ」
(小学4年生の作品)
 授業を聞き「CO2を吸収する森林を大切にしようと思った」「木の成長には非常に長い時間がかかるので大切にしたい」など子どもたちは、森林の大切な役割や重要性について理解を深めました。
 中村所長と山下さん、ありがとうございました!
 現在、峰田小学校には、6台のペレットストーブが設置してあります。
教室内にある身近なペレットストーブを通じ、自然と、子どもたちの環境意識が育(はぐく)まれているとのことです。
アサヒの森でフィールドワークをしました!
 5月28日(水)、アサヒの森でフィールドワークを行い、環境について学習しました。
 最初に、動植物の動きをとり入れた「森の子体操」というストレッチで、頭と体をほぐしました。
“まつたけ”の子ダンス “鳥”の子ダンス
 「森と水」をテーマにした寸劇(すんげき)を鑑賞(かんしょう)。
 「人間が旅をするように、水も旅する(=循環[じゅんかん])」ことを、手作りのイラストを用いて、分かりやすく教えてもらいました。
人体は60%~70%水分で構成されており、人間にとって水が大切なように、森林も水が大切であることを教えてくれました。
水の循環について説明しているところ
紙芝居(かみしばい)「森林(やま)からのおくりもの」で、森の役割と水の大切さ等を学びました。
 斜(なな)めに傾(かたむ)けた「はげ山」・「草地」・「森林」のミニチュア木箱に上から、水を降り注ぎ、保水能力(ほすいのうりょく)を確かめる実験(じっけん)をしました。
 「はげ山」の木箱からは、注水した水がすぐにもれ出てきました。
 一方、「草地」からは、暫(しばら)くしてわずかに、「森林」からは、ほとんど流れ出てきませんでした。
 手を挙げて、感想を述べる子どもたち。
「水も人間と一緒に旅をしていることが分かりました。」
「水を大切にしないといけないと実感」
「(実験で)はげ山はすぐ水が流れることが分かりました。これでは家も流されます。緑をたくさん育て森林を大切にしたい。」
 最後に、子どもたちは全員で「マイ・フレンド」(作詞・作曲 原田真二)を合唱。これは、昨年、歌手の原田真二さんが、峰田小の子どもたちのために作った歌。
 静かな森に、カッコウ・キツツキ・ホトトギスのさえずりが聞こえる中、子どもたちの歌声が、小鳥たちと素晴らしいハーモニーを奏(かな)でていました。
 今日の野外学習で、「マイ・フレンド」の歌詞にもあるように「緑の森がとどけてくれる大きな愛(あい)♪」を、子どもたちは感じたにちがいありません。
大学で授業を受けてきました!
 9月3日(水),県立広島大学庄原キャンパスで,庄原市立峰田小の児童38名が水環境についての授業を受け,顕微鏡で微生物を観察したり,水質汚染を調べる実験を行いました。
 三好教授の説明を聞きながら,スクリーンに映し出された顕微鏡の拡大画面(※)を,皆で観察。画面上では,植物プランクトンが独特の動きを見せながら高速度移動していました。
(※)(画面上の)格子の横幅は髪の毛と同じ幅で格子間は0.5mm。
 子どもたちは,庄原周辺の水環境(河川・池等)やそこに生息するオオマリコケムシ等の説明を受けた後,数日前に採取(さいしゅ)した実物のオオマリコケムシを観察しました。
 オオマリコケムシが入っている発砲スチロールの容器のふたを開けると,中から強烈(きょうれつ)な異臭が…
 子どもたちは,鼻を押さえつつもオオマリコケムシを手で触わる等しました。
 次は,水の汚染度を調べるための試薬(※)を使った実験。
 この実験は,(試薬入り)液体の色の変化によって,汚染度が確認できるというもの。
(※)化学的酸素消費量(COD)
 教授・助手から説明を受けた後,子どもたち一人一人が,実験を行いました。最初にビーカー内の真水で試薬入り液体の色の変化を確認。その後,みそ汁(しる)を数滴たらし,再度,色の変化を確認しました。
 見た目は,真水と変わらない混合水(みそ入)が,(試薬入りスポイトで吸い取ると)数分のうちに緑色に変化。
 透明度(とうめいど)が高くきれいに見える水が実は汚染されていることがあることが分かりました。
 左(ピンク色)は汚染度0,右(緑色)に近づく程,汚染度が高くなります。
真水の場合:
ピンク色に変化
みそ汁(右)を数滴,
真水(左)に入れて色の変化を実験
混合水(みそ入り)の場合:
紫色に変化
 講義の最後に,子どもたちは感想を述べました。
 「この試薬キットを使い,様々な場所の水質を調べてみたいと思いました。」と加藤さん(6年生)。三好教授から「なかなかおもしろい考えですね。皆さん全員に,特別に(水質汚染を調べる)試薬入りキットを差し上げます。是非調べてみてください…」
 今回は,三好教授等の協力で,水環境問題について,教授等から直に授業を受けるなど,貴重な体験をすることができました。ありがとうございました。
庄原市峰田小児童全員38名が絵本の完成発表会を行いました!
 11月30日(日),庄原市立峰田小の児童38名が,完成した“地球環境をテーマ”にした絵本「まけるな!キジバト」の朗読発表等を同小体育館で行い,夢を実現しました。

 学習発表会の一環として行われた絵本の完成発表では,3・4年生が「ミラクル・リサイクル」と題し,これまで学習してきた環境問題を,環境ソングやクイズ等も織り交ぜ劇にして発表。

「崖の上のポニョ」等の環境替え歌ソングを歌う子どもたち。


 朗読発表前「皆さん,今年の夏の暑さを覚えていますか?広島県では,この100年で3℃近く気温が上がっています。」と語り掛け,地球温暖化の影響・原因について説明。
 この影響は庄原の森にも及んできていること,だからこそ「地球温暖化の真実を,地域の人や小さな子どもにも伝えたかった。」と五刀さんが応募動機を語り,夢実現に至るこれまでの学習を映像と共に振返りました。

夢の応募動機を語る五刀さん
アサヒの森での野外学習 朝川照雄(絵本作家)さん,よこみちけいこ(絵本画家)さんの
絵本作りの授業
三好教授(県立広島大学)による水環境の授業 地球温暖化の授業

 「私たちが作った大型絵本(縦1m×横2m)を使い『まけるな!キジバト』を紹介します。」との子どもたちのあいさつで,朗読がスタート。全校児童一人一人が,大型絵本を前に各々のパートを暗唱朗読しました。
 
 地球温暖化による異常気象に伴い,不足した食べ物を探す母子キジバト。エサ探しのため人間界にまで出掛け捕獲(ほかく)されてしまう母バト。母バト生還(せいかん)の間,森の動植物が一緒になって子バトの世話をし,生還した母バトとともにみんなが助け合い生きていくという,地球環境と共生が底流にあるストーリー。

 子どもたちは,最後に「はばたけ鳥」と「MY Friend」を合唱し,手作りのエコ川柳を地域の人等に手渡しました。
子どもが地域の方に「エコ川柳」を渡している様子

  「今はいい 未来はどうする 考えて」三年 森原きらら

 峰田小学校では,絵本「まけるな!キジバト」を県内の全小学校等に配布し,県内全ての子どもたちに庄原発の環境保護のメッセージを伝えることにしています。
会場内に掲示されたこれまでの取組状況等
校長先生の閉会あいさつ
夢配達人の朝川照雄さん,よこみちけいこさん
夢配達人の先生方と一緒に記念写真

斉藤環境大臣と地球環境について話し合いました!
 2月28日(土),斉藤鉄夫 環境大臣は,子どもたちが環境について実地学習したアサヒの森(庄原市)を視察(しさつ)に訪れました。
アサヒの森 記念植樹する大臣 間伐方法の説明を受ける大臣
 視察後,斉藤大臣は,絵本「まけるな,キジバト!」のテーマである地球環境や森林について子どもたち(庄原市峰田小)と話をしました。

 子どもたちは,「森林が壊されると生き物は生きていけない」「森林は(保水能力を有する)緑のダムである」等,これまで学んだことや絵本の内容を大臣に伝えました。
絵本の説明をする子どもたち

 斉藤大臣から,森林が二酸化炭素の吸収源や生態系維持として大きな役割を果たしていること,排出権取引で森林の環境経営を(二酸化炭素の吸収源として)認めてくれるよう努めていること等を,わかりやすく教えていただきました。

 最後に,斉藤大臣から「これからも勉強して地球環境や自然環境の担い手となるよう頑張ってください。」と激励の言葉を掛けられ,子どもたちは環境問題への取り組みに向け,一層やる気を高めた様子でした。